LAND EVALUATION & TAX

05. 土地の評価と税金

map 「路線価」

路線価(ろせんか)とは

路線価(ろせんか)とは、国税庁が毎年7〜8月に公表する、主要な道路に面した土地の1㎡あたりの評価額(1月1日時点)です。相続税や贈与税を算出する「財産評価基準」として使われ、公示地価の約8割を目安に設定されます。国税庁の財産評価基準書から確認可能です。

(路線価の主なポイント)

calculate 何に使う?
主に相続税や贈与税の計算に使われます。

event_available いつ決まる?
毎年1月1日時点の価格が、7月1日前後に公表されます。

(調べ方と目安)

travel_explore どこで見れる?
国税庁のウェブサイト「財産評価基準書」上の「路線価図」にて誰でも検索できます。

straighten 目安は?
近隣の取引価格(時価)や公示地価の約80%程度に設定されています。

路線価の種類

list 2つの路線価
路線価には、相続税路線価(国税庁)と固定資産税路線価(市区町村)の2種類があります。

account_balance 相続税路線価の特徴
相続税・贈与税の算定。1㎡あたりの価格。主要な道路に付される。

location_city 固定資産税路線価
固定資産税・都市計画税等の算定。公示地価の約7割程度。

reorder 「一物四価」

一物四価(いちぶつよんか)とは

一物四価(いちぶつよんか)とは、1つの土地に対して、目的別に「実勢価格」「公示価格」「相続税路線価」「固定資産税評価額」という4つの異なる価格が存在する状態のことです。税金算出、取引相場、公示などそれぞれの目的に応じて価格基準が異なるため生じます。

(4つの価格の内容)

sell 実勢価格(時価)
実際に不動産取引で売買される価格。需要と供給のバランスや市場動向に左右されます。

public 公示価格(公示地価)
国土交通省が公示する、土地取引の指標となる価格。更地としての正常な価格を指します。

map 相続税路線価
国税庁が算定する相続税や贈与税の計算基準。公示価格の約8割が目安です。

fact_check 固定資産税評価額
市町村が定める固定資産税等の計算基準。公示価格の約7割が目安です。

(一物四価の例と背景)

psychology なぜ価格が違うのか
売買では「実勢価格」、税金では「固定資産税評価額」というように、使われる目的が異なるため、この言葉が使われます。

layers 算出の基準
相続税評価額は公示価格の約8割、固定資産税評価額は公示価格の約7割と、公的に基準が定められています。

(同義語・関連語)

add_business 一物五価の考え方
公示価格に加え、都道府県が調査する「基準地価」を含めて5つの価格が存在するという考え方もあります。

manage_search 総合的な判断
これら4つの価格を把握することで、土地の適正な価値、相場、税負担の規模を総合的に判断できます。

(補足)地価公示 / 基準地価 / 路線価 / 固定資産税評価: それぞれの価格は公表時期や目的が異なります。

account_balance 「相続税評価額」

相続税評価額とは

相続税評価額とは、相続や贈与で取得した財産に税金をかける際、その「価値」を国税庁の定めたルールに基づいて算出する基準額です。

(評価のポイント)

track_changes 計算の目的
相続税や贈与税の申告額を確定させる基準。納税者が自ら計算し申告します。

difference 時価との違い
土地なら時価の約80%、建物なら約60〜70%程度になることが多く節税に繋がります。

(財産ごとの評価方法)

map 土地と建物の評価
土地は主に「路線価」に面積を掛けて算出。建物は「固定資産税評価額」を適用します。

savings 現金・有価証券
現金は発生時の残高。有価証券は発生日の終値など、最も低い基準を採用可能です。

(関連用語・類語)

menu_book 評価の通達
時価(実勢価格)、固定資産税評価額、路線価、財産評価基本通達などを基準とします。

fact_check 「固定資産税評価額」(土地・建物)

固定資産税評価額とは

各市区町村(東京23区は都)が「固定資産評価基準」に基づいて算定した、不動産の公的な価格です。
固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税を計算する際の「課税標準」となる極めて重要な数値です。

landscape 土地の固定資産税評価額

straighten 評価の目安
公示価格(時価の目安)の約70%程度になるように設定されています。3年ごとに「評価替え」と呼ばれる価格の見直しが行われます。

assignment_turned_in 主な用途
固定資産税・都市計画税の算出のほか、不動産取得税や、売買時の登録免許税(名義変更の税金)の計算基礎となります。

search 確認方法
毎年4〜6月頃に届く「納税通知書」に同封された「課税明細書」の「価格」または「評価額」欄で確認できます。

apartment 建物の固定資産税評価額

foundation 評価の仕組み
「再建築価格方式」を採用。今同じ建物を建てた場合の費用から、築年数による劣化(経年減点補正)を差し引いて算出します。

analytics 評価の目安
新築時は請負工事金額(建築費)の約50〜70%程度が目安です。土地と異なり、年数の経過とともに原則として評価額は下がります。

error_outline 注意点
「建物の評価額」は建物の価値のみを指し、土地は別途計算されます。また、売却時の「実勢価格(相場)」とは一致しません。

sell 「実勢価格」

実勢価格(じっせいかかく)とは

実勢価格(じっせいかかく)とは、不動産市場において実際に売買が成立した「取引価格(成約価格)」のことです。
需要と供給のバランスによって決定され、その時々の市場相場(時価)を指します。不動産売却の基準となる価格であり、公示地価や路線価などの「一物四価」の1つとされています。

(実勢価格の主な特徴)

handshake 市場価格そのもの
買主と売主の合意に基づく価格です。近隣の類似した取引事例(成約事例)を基に相場が形成されます。

trending_up 常に変動する
景気動向、周辺の開発状況、金利、時期によって常に変動します。全く同じ条件の土地は二つと存在しません。

assessment 査定価格の基礎
不動産会社が行う売却査定価格は、この実勢価格(いくらで売れそうか)を予想したものです。

(実勢価格の調べ方 & 類語)

travel_explore 公的データの活用
「不動産情報ライブラリ(旧:土地総合情報システム)」などで、過去の実際の取引履歴を参照できます。

query_stats 専門家による査定
不動産会社による査定や、レインズ(指定流通機構)の成約データから、最も正確な時価を知ることができます。

segment 主な類語
時価 / 成約価格 / 売買価格 / 相場 / 市場価値。これらはすべて、取引の現場で動く実利的な価格を指します。

public 「公示価格」

公示価格(地価公示)とは

公示価格(地価公示)とは、国土交通省が地価公示法に基づき、毎年1月1日時点の全国の「標準地」の正常な土地価格(1㎡当たり)を調査し、3月下旬に公表する公式な土地評価額です。
土地取引の目安、公共事業の用地取得価格、税金評価の基準となるなど、適正な地価形成のために利用されています。

(公示価格の特徴・ポイント)

track_changes 目的と役割
一般の土地取引価格の指標(目安)となり、適正な地価形成に寄与すること。

verified_user 高い信頼性
不動産鑑定士が現地を調査し、土地鑑定委員会が審査して決定する極めて公的な指標です。

landscape 更地としての価格
地上にある建物や、特定の事情(急ぎの売却など)を除外した「更地」としての正常な価格を指します。

(実勢価格との関係 & 確認方法)

compare_arrows 実勢価格との乖離
一般的に実勢価格は公示価格の1.1〜1.2倍程度が目安ですが、都市部では2〜3倍に乖離する場合もあります。

manage_search 確認方法
国土交通省の不動産情報ライブラリや土地総合情報システムで誰でもオンラインで確認可能です。

difference 基準地価との違い
公示価格は「1月1日時点」の都市計画区域中心の調査。基準地価は「7月1日時点」で全域を対象とする調査です。

(他の地価指標との関連)
・相続税路線価: 公示価格の約80%を目安に設定される、相続税・贈与税の計算基準。
・固定資産税評価額: 公示価格の約70%を目安に設定される、固定資産税等の課税基準。

groups 「相続税」

相続税の基礎知識

相続税は、亡くなった人(被相続人)から財産を相続・遺贈した際に課される税金です。基礎控除額「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」を超える遺産がある場合、10カ月以内に申告・納税が必要です。配偶者控除や小規模宅地の特例を活用し、早めの対策が有効です。

(相続税の基礎知識)

inventory_2 課税対象
不動産、預金、有価証券、貴金属など金銭的価値があるもの全て。借金などの債務は差し引くことができます。

remove_circle_outline 基礎控除
遺産総額が基礎控除以下の場合は申告・納税不要。令和5年分の調査では亡くなった人の約9.9%が課税対象です。

history_edu 申告・納付期限
被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内。期限を過ぎると延滞税等が課されるため注意。

(主な控除・特例制度)

family_restroom 配偶者控除
配偶者は「1億6,000万円」か「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い方まで無税となります。

home_work 小規模宅地等の特例
亡くなった人の住居や事業用の土地について、評価額を最大80%減額可能。土地活用において非常に重要です。

volunteer_activism 贈与税の特例
相続時精算課税制度(2,500万円まで特別控除)や、生前贈与を計画的に利用することで節税に繋がります。

(手続きの注意点)

fact_check 申告が必要なケース
財産が基礎控除以下でも、小規模宅地等の特例を使って税額が0円になる場合は申告が必要です。

priority_high 財産評価の重要性
相続税評価額は時価と異なります。土地は路線価、建物は固定資産税評価額を用いて、正確に算出する必要があります。

payments 「土地固定資産税」・「建物固定資産税」

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に対して課税される税金です。土地と建物では評価方法や軽減特例の仕組みが異なるため、それぞれの特性を理解することが重要です。

landscape 土地固定資産税

calculate 計算式と標準税率
固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)。評価額は3年に1度見直され(評価替え)、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。

gavel 住宅用地の軽減特例
住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」が適用されます。200㎡以下は1/6に軽減、200㎡超は1/3に軽減。更地は特例がなく高額になります。

event_note 通知と納付時期
毎年4〜6月頃に納税通知書が届き、通常4回に分けて納付します。市街化区域内の土地は、さらに都市計画税が加算される場合があります。

search 確認・相談する方法
納税通知書の課税明細書や、市町村の窓口で取得できる「固定資産評価証明書」で確認。不明点は市町村の税務課で相談可能です。

home 建物固定資産税

calculate 計算式と評価基準
固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)。今同じ建物を建て直した場合の費用(再建築価格)を基準に、築年数による劣化分を差し引いて算出します。

verified 新築住宅の軽減特例
新築から一定期間、建物分の税額が「1/2」に減額されます。一般戸建住宅は3年間、マンション等は5年間適用(居住部分120㎡相当まで)。

trending_down 経年変化と評価の下限
築年数が経つほど評価は下がりますが、最終的には新築時の20%程度(下限値)で下げ止まり、建物がある限り課税が継続します。

stars 認定長期優良住宅の優遇
長期優良住宅の認定を受けた場合、軽減期間が戸建で5年間、マンション等で7年間に延長されるなど、さらに手厚い優遇措置があります。

(注意点)建物評価額は「建物の価値」のみを指し、土地の評価額は別途計算されます。建物の建築費そのものではないため、売却時の相場(実勢価格)とは異なる点に注意してください。

location_city 「都市計画税」の地域比較(岡崎市・豊田市)

都市計画税とは

都市計画税は、道路、公園、下水道などの都市施設を整備するための「都市計画事業」の費用に充てられる税金です。市街化区域内に所在する土地・建物に対して、固定資産税とあわせて課税されます。

location_on 岡崎市の都市計画税

percent 税率:0.3%
岡崎市では市街化区域内のすべての土地・建物に対し、制限税率の上限である0.3%(100分の0.3)が適用されます。

calculate 計算式
固定資産税評価額(課税標準額) × 0.3% で算出されます。

gavel 住宅用地の軽減
小規模住宅用地(200㎡以下)は価格の1/3、一般住宅用地(200㎡超)は2/3に軽減される措置があります。

account_balance_wallet 合計保有コスト
固定資産税(1.4%)と合わせると、実質的な年間保有コストは評価額の「1.7%」となります。

location_on 豊田市の都市計画税

percent 税率:0.25%
豊田市では岡崎市よりも低い0.25%(100分の0.25)が設定されており、不動産保有の負担が軽減されています。

calculate 計算式
固定資産税評価額(課税標準額) × 0.25% で算出されます。

gavel 住宅用地の軽減
岡崎市と同様の軽減措置(小規模1/3、一般2/3)が適用されます。

account_balance_wallet 合計保有コスト
固定資産税(1.4%)と合わせると、実質的な年間保有コストは評価額の「1.65%」となります。

(比較のまとめ)
評価額3,000万円の物件の場合、都市計画税は岡崎市で9万円、豊田市で7万5千円となり、年間1万5千円の差が生じます。

monetization_on 「所得税」(不動産所得・譲渡所得)

不動産に関わる所得税とは

所得税は、個人の1年間の所得に対して課される国税です。不動産オーナーにとっては「貸して得る利益(不動産所得)」と「売って得る利益(譲渡所得)」の2つが主な課税対象となります。

business 不動産所得(貸した時の税金)

calculate 計算式
総収入金額(家賃・礼金・更新料など) - 必要経費(固定資産税・損害保険料・修繕費・減価償却費など)で算出します。

trending_up 総合課税(累進税率)
給与等と合算する方式です。所得が多いほど税率が高くなり、5%〜45%の範囲で課税されます。

verified 青色申告特別控除
正確な記帳を行うことで、所得から最大65万円を控除できる強力な節税メリットがあります。

balance 損益通算
経営上の赤字を給与所得から差し引けるため、所得税・住民税全体の還付を受けることが可能です。

transfer_within_a_station 譲渡所得(売った時の税金)

calculate 計算式
譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額。売却して利益が出た場合に課税されます。

event_available 長期譲渡所得
所有期間5年超。税率20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)。

event_busy 短期譲渡所得
所有期間5年以下。税率39.63%(所得税30%・住民税9%・復興特別所得税0.63%)。

warning 所有期間の判定
売却した年の「1月1日時点」で5年を超えているかで判定されるため、タイミングに注意が必要です。

(その他の所得税知識)
・基礎控除:合計所得2,400万円以下なら48万円が適用されます。
・復興特別所得税:2037年までは、所得税額に2.1%を乗じた額が別途加算されます。